思春期に多く見られるトラブルと原因
生理痛(月経困難症)
生理のときに下腹部や腰が痛くなったり、頭痛、吐き気、疲労感、イライラなどが現れたりする状態を「月経困難症」と呼びます。思春期の生理痛の多くは、経血を外に押し出すために子宮を収縮させる「プロスタグランジン」という物質が過剰に分泌されることで起こります。また、10代はまだ子宮の出口(子宮頸管)が硬く狭いため、経血がスムーズに通りにくく、痛みが強くなる傾向があります。
生理痛は「病気ではないから我慢するもの」と思われがちですが、痛みのせいで学校を休んでしまう、授業に集中できない、部活動に参加できないといった場合は、治療の対象となります。
「月経困難症」については、こちらのページもご参照ください。
生理不順
生理が来る間隔が長すぎたり短すぎたりして、周期が定まらない状態です。初経を迎えてから数年間は卵巣の働きがまだ十分でないため、規則正しく排卵が起きなかったり、女性ホルモンの分泌量が急に増減したりして、周期がバラバラになりやすくなります。「先月は来たのに今月は来ない」「月に2回も来た」といったことも、この時期には比較的よくみられます。
初経から2~3年程度は周期が不安定になりやすいため、体調がよければ少し様子をみていただいても構いません。ただし、3か月以上生理が止まっている場合や、逆に2週間以上だらだらと出血が続く場合は、ホルモンバランスの偏りや貧血のリスクを考え、一度診察を受けることをおすすめします。
過度なダイエットやストレスが与える影響
思春期の体は、想像以上にデリケートです。「痩せたい」という強い思いからの過度な食事制限や、学校生活での強いプレッシャーは、体にとって大きな負担になります。
女性ホルモンの指令を出す脳の視床下部は、ストレスや急激な体重減少を敏感に察知します。生命の危険を感じた脳が、生きるために不要な機能(生殖機能)を一時的に止めてしまうため、卵巣への指令が止まり、生理が来なくなることがあります。
10代で長期間生理が止まった状態を放置すると、子宮の発育不良につながるだけでなく、骨を強くする女性ホルモン(エストロゲン)が不足して若くして骨粗しょう症のリスクが高まったり、将来の妊娠に影響したりする可能性があります。
「体重が減って生理が止まったけれど、楽だからいいや」と思わずに、体からのSOSとして受け止めることが大切です。