診療内容about our treatments

私って更年期障害?

まずは簡易更年期指数の表の当てはまる症状に点数をつけてみましょう。(他にも種々の評価法があります)
症状
① 顔がほてる10630
② 汗をかきやすい10630
③ 腰や手足が冷えやすい14950
④ 息切れ、動悸がする12840
⑤ 寝つきが悪い、眠りが浅い14950
⑥ 怒りやすく、イライラする12840
⑦ くよくよしたり、憂うつになることがある7530
⑧ 頭痛、めまい、吐き気がよくある7530
⑨ 疲れやすい7420
⑩ 肩こり、腰痛、手足の痛みがある7530
自己採点の評価法
25点以下まだ症状は軽い方です。
26〜50点食事、運動療法から始めてみてください。
51〜65点更年期外来受診してください。薬物治療検討しましょう。
66〜80点長期の治療が必要です。
81〜100点各科の精密検査を受けることをお勧めします。
更年期(閉経の前後の約5年間、一般的には45〜55歳ぐらい)には女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することなどにより、のぼせ、異常発汗、イライラなどの様々な症状(不定愁訴)があらわれます。これらの症状が更年期症状と呼ばれます。 そして更年期症状が日常生活に支障があるものを「更年期障害」と言います。

※ 重要なことは他の病気でも見られる症状が多いので他科の病気が潜んでないか十分に内科や脳神経外科や耳鼻科、眼科などで気になる症状を診てもらう必要があるということです。
何もない場合に初めて更年期障害(定義では器質的変化に起因しない症状)の診断となります。婦人科に通院中や通院前に、他の科でも念入りに見てもらうと良いでしょう。他の病気が見つかるかもしれません。
治療法はありますか?
今や決してがまんする時代ではありません。ホルモン補充療法(HRT)も一時言われたような怖いものではなくなりました。漢方療法やサプリメント(エクエル)も効果が期待できます。当院では患者様の症状に合ったオーダーメイド治療を行っています。
ホルモン補充療法(HRT)
欠乏しているエストロゲンを少しだけ(必要最低量)補う方法です。
  • 更年期症状の中で顔のほてり・のぼせ (ホットフラッシュ)・発汗などに対する効果が期待できます。
  • 乳がんのリスクは5年以内の使用では上昇しません。
  • 骨粗しょう症を防ぎます。
  • 腟炎や性交痛を改善します。
  • 皮膚のコラーゲンを増やし、肌の潤いを保ちます。
  • 意欲や集中力を回復させ、気分の落ち込みを和らげます。
  • 悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やし動脈硬化を予防します。
飲み薬塗り薬(ゲル)貼り薬(パッチ)など色々選べます。(相談して選びます)
※ 子宮がある女性は女性ホルモンと必ず黄体ホルモンを併用します。
漢方療法
漢方療法の基本的な考え方は、心身のバランスを整えることによりさまざまな症状を改善することです。症状が多彩でいろいろ変化する更年期症状の方は漢方療法も効果的です。すぐに効果があるというよりはなんとなく効いているという評価が多いようです。HRTと併用も可能です。
食事療法・サプリメント
生活習慣病や骨粗しょう症が気になり始める更年期からは、コレステロールや塩分を控え、ビタミン、ミネラル、カルシウムの豊富な食生活を心がけましょう。
最近の報告では大豆イソフラボンの一種、エクオール(エクエル®)がホットフラッシュを含む更年期症状に有効性が確認されています。(院内でも販売しています。

それ以外にも更年期症状に対して使用されるサプリメントは種々ありますが、有効性を示すデーターはほとんどありません。また健康被害の報告もあるものがあるのでご注意してください。

子宮脱(骨盤臓器脱)かも?

従来は子宮脱、性器脱と呼んでいましたが最近は骨盤臓器脱(pelvic organprolapse:POP)と呼ぶことが一般的になってきています。
骨盤内の臓器が下がって腟から出てくるものです。
思い当りませんか?こんな症状
  • 夕方になると、股のあたりに何かが下がってきた感じがする。
  • お風呂で洗っていると、股からピンポン玉のようなものが出てきた。
  • トイレが近くなったが、行ってもすっきり出ない。
  • 尿が出づらいので、いきんで排尿している。
こんな症状があったら受診してみましょう。

主な症状は、臓器が下がってくることによる下垂感、違和感、不快感です。夕方になるにつれて臓器が下がり、症状が強くなるのが特徴です。特に長時間歩いたり、立ち仕事を続けたり、運動をしたりすると悪化します。脱出が強くなると出ている部分が下着にこすれて痛みや出血が起こることもあります。
検査と診断
子宮がん検診と同じように内診台に座っていただいて直接見たり、いきんでもらったり、子宮をけん引して臓器の下がり方を診ます。

正常女性の骨盤底

膀胱瘤

直腸瘤

子宮脱

腟断端脱

小腸瘤
治療
骨盤底筋体操
緩んだ骨盤底の筋肉を鍛える体操です。
薬物療法
直接の治療法ではありませんが腟の状態を改善するため弱い女性ホルモンの腟錠を入れたり、服用したりします。
ペッサリー療法(紀元前400年頃のヒポクラテスの時代からある方法です)
腟内にリング状のペッサリーを挿入して、臓器が脱出しないように支える治療法です。患者様のサイズに合ったものを使用します。
長期留置法と自己着脱方式があります。
当院でも希望があればすぐに装着いたします。管理方法の決まりはありませんが大体、入れた方は毎月一回来ていただいて腟洗浄を受けて頂き、合併症(腟のびらんや潰瘍など)の有無をチェックしています。通院が難しい患者様は装着できません。(入れたまま放置すると癒着や穿孔の合併症が起きることがあります。)コントロールが良好な患者様は、長期的には腟の狭小化によりペッサリーのサイズダウンを検討していきます。
日本ではまだ普及はしていませんが、自己着脱法も腟炎の合併を減らしQOLの改善効果を高める可能性があります。当院でも慣れてきた患者様には自己着脱法をおすすめしています。
手術療法
ペッサリー療法でコントロール困難な患者様が対象になります。
メッシュ(TVM)手術
日本では2005年から始まった新しい手術法です。まだまだ問題点(2011年アメリカ食品医薬品局が合併症多発のため警告)もあり、また新しい手術のため長期予後もまだわかりません。
腟式子宮摘出+腟壁形成術、腟閉鎖術、マンチェスター手術など
これらは従来から行われている方法です。再発は30%ぐらいあるので手術療法が万能とは考えない方が良いと思います。 再発後の再手術はかなり難しくなります。

骨粗しょう症かも?

骨粗しょう症は沈黙の病気です。病気の始めは症状がありません。
骨折して初めて気がつくのでは遅すぎます。婦人科では心配なハイリスクの患者様の早めの骨密度検査をおすすめしています。
骨密度検査できますか?
早発閉経(40歳未満)、原発性無月経既往、神経性食欲不振症既往、体重減少性無月経症既往、閉経前の両側卵巣摘出既往などの患者様は長期にわたるエストロゲン欠乏によって続発性の骨粗しょう症を発症している危険が高いので一度骨密度検査を受けてみてください。またホルモン補充療法は骨が溶け出すのを抑え、骨量を維持し、骨粗しょう症を防ぐ効果があります。検討してみてください。
閉経期以降の患者様も定期的に骨密度検査をおすすめします。

診療時間

 
9:30〜12:30
15:00〜18:30
休診日 土曜午後・日曜・祝日・火曜(月1回)
火曜・木曜は不定期診療
土曜日は13:00まで
受付け終了時間は診察終了15分前まで(新患の方は30分前まで)にお願いします
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